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2017年1月1日

郷土料理研究会

本当のお雑煮の姿☆

 明けましておめでとうございます。
 昨年は、弊社母体の一般社団法人「ローカリズム推進楽会」で、郷土料理研究会を立ち上げました。研究会は、他の講座と違い、皆が資料を読み込み、実践します。
毎回、新しい発見ができます。
 昨年最後の郷土料理研究会は、「お雑煮」でした。
 
 お雑煮というと、丸餅だ角餅だとか、
白味噌仕立てだとか澄ましだとか出汁の話題、
牡蠣が入るとかぶりが入るとか具材の話になりますね。
そしてお雑煮の写真と言えば、料亭のようにお椀に盛られた姿ばかり。

 だけど私は、お雑煮は「鍋にみんなが食べる分の餅をいっぺんに入れた姿」のことを言うのではないかと思っています。
 もっと言うと、
「新年最初に起こした火と汲んできた新しい水で餅と具を煮たもの」です。
こうして、いっぺんに煮た鍋から「皆で取り分ける」ところに「お雑煮を食べる」意味があるような気がします。

  
 農文協の「聞き書」の類には、具が何かということよりも、
いっぺんに入れる餅がひっつかないような工夫について書かれています。
たいてい1人が6~7個の餅を食べたそうで、
8人家族だと50個余りの餅が鍋に入ったというのです。
野菜の間、間に上手に餅を入れていくという家庭もあれば、
藁で編んだ簾を鍋に敷いてそこに餅を並べるという家庭もあったり。
それから、具は「切る」のは縁起が良くないので
「手でちぎる」のが基本だったよう。
自家製の焼き豆腐やこんにゃくをちぎって入れたんですね。
 実際、記述の通りに作ってみると、
見た目は非常に美味しくなさそうな雑煮ができます(笑) 
けれど、いっぺんに煮たその『雑な煮物』は、
皆がいっぺんに食べないと餅が溶けてしまうので、
「雑煮ができたど~!」の呼び声を合図に、
皆が一斉に食卓に集う、
そんな元旦の食卓を象徴する素敵な一椀だったと思うのです。
 
 フォローしておくと、
記述の通りに作った雑煮は、見た目は悪くても、かなり美味しいです!!
 
今年も共に頂く楽しさをたくさんの方と味わっていきたいと思います♪